皆さまご存じだと思いますが、アナログ、つまりプリントした写真や絵などを、デジタルデータにするために読み取る機械が「スキャナー(scanner)」です。
最近では、家庭用のプリンターにも、コピー機能やスキャン機能が付いているもの(複合機)が結構あります。ご利用の方も多いのではないでしょうか?
今回と次回は、2回にわたって、当店のサービスの根幹であるスキャナーについて、ご説明しようと思います。
スキャナーは、大きく分けて3種類。
1つ目は「フラットベッドスキャナー(flat bed scanner)」。
先ほど書いた家庭用プリンターに機能として付いているのは、ほぼこの形です。
会社などで使用しているコピー機と同じで、ガラス面に原稿を伏せて、下から光を当てながら読み取り部が移動し、読み取っていきます。
2つ目は「シートフィードスキャナー(sheet feed scanner)」。これは、オートシートフィーダ スキャナ(auto sheet feeder scanner)、ドキュメント フィーダ スキャナ(document feeder scanner)、などとも言います。
こちらは、プリンターで印刷するのに似ています。読み取り部は動かずに、原稿の方がその場所を通過していき、読み取っていきます。プリントアウトしているような動きです。
3つ目は「スタンドスキャナー」。
このタイプは、あまり見かけることはないかも知れません。電気スタンドのような形をしていて、写真などを置き、上からそれを撮影し、読み取っていきます。
「フラットベッドスキャナー」は面倒?
フラットベッドスキャナーは、原稿を1枚ずつガラス面に置いて、カバーを閉めてスキャンしますので、ほかの2種よりは手間がかかります。
ある程度の厚さには対応できますが、厚い本を開いてスキャンすると、左右ページの境界部分など浮き上がる部分が黒くなってしまいます。
範囲内であれば、小さい写真でも大きな絵でもサイズを問いません。また、カバーでしっかりと押さえますので、シワが寄っていたり曲がっていたりしてもスキャンできますし、多少であれば矯正する効果もあります。
もちろん機種によりますが、3種の中で最も高い解像度のスキャンが可能で、画像の補正機能を備えたものも多いようです。
読み取り部が動いてスキャンするため、1枚のスキャニングに時間がかかりますが、ADF(Auto Document Feeder)という自動給紙装置を使えば、複数の紙原稿を自動でスキャンすることもできます。
「シートフィードスキャナー」は厚いものが嫌い?
持ち運びできるハンディタイプのシートフィードスキャナーは1枚ずつスキャンするものですが、この手のスキャナーの標準仕様はADF(自動給紙装置)が付いているタイプでしょう。
何十枚もの原稿を、次から次へと高速でスキャンしてくれます。両面をスキャンしてくれる機種もあります。
なので、何十ページもある書籍をデジタル化する場合にはとても重宝します。
ただし、何十枚ものスキャンは、同じサイズの紙原稿に限る場合が多いですし、たとえ紙だとしても、厚めのものは苦手です。また小さなサイズには適しません。
また、原稿が糊やホッチキス等で留められてくっついていると、紙詰まりの原因となり、大切な原稿が破れたりシワくちゃになってしまうことがあります。
「スタンドスキャナー」は何でもスキャン?
スタンドスキャナーは、ほかの2種とは異なり、原稿から離れた場所でスキャンします。
スキャンというよりは「撮影」と言ったほうがいいかも知れません。
小さな写真から分厚い書籍や立体物まで、さまざまなものに対応できます。開いた本のように丸みのある場合でも、補正機能が付いたものならキレイに読み取れます。
接触させる必要がないので、汚れることが心配なクレヨンで描いた絵なども安心してスキャンできますね。
当店では「フラットベッドスキャナー」を使用しています!
写真デジタル化サービスの会社には、効率や処理速度を追い求め、シートフィードスキャナーを使っている会社もあるようですが、前述したように糊が付いて剥がれない重なった写真があると、大切な原版が紙詰まりで破れてしまう可能性がありますし、自動給紙装置のローラーが、大切な写真面に傷をつけながら回ることもあります。
大切な写真のスキャンにシートフィードスキャナーを利用することは極力避けましょう。
当店の写真デジタル化サービスでは、スキャニングに時間はかかっても、画質や解像度、また補正などにも優れた「フラットベッドスキャナー」を使用しています。
皆さまからお預かりした大切な写真ですので、自動給紙装置は一切使用せず、1枚1枚きちんとガラス面に置いて、丁寧にスキャンしていますので、安心してお任せください!
次回は、そのフラットベッドスキャナーの構造による違いや特長について、ご説明します!