レンタルでも販売でも、音楽であればコンパクトディスク(以下CD)、映像であればDVDやブルーレイディスク(以下BD)ですよね。
データ容量については、CD⇒DVD⇒BDの順に大きくなるのは皆さまご存知の通りです。
しかし、違うのはデータ容量だけでしょうか?そうならば、なぜ使い分けるのでしょう?
「大は小を兼ねる」という格言もあります。1枚あたりの金額は多少違いますが、最近ではCDとDVDであれば、それほど差はないはずです。
もちろん、読み込める機材の有無も問題になりますが、DVDが使えないパソコンは、現在は少数派でしょう。
では、どうして使い分ける必要があるのか……。
今回は、CD、DVD、BDのそれぞれの説明とともに、その辺りの理由も解明しましょう!
CDには、音楽用とデータ用がある?
販売されているCD(Compact Disc)には、データの書き込みについて3種類が存在します。
1つ目は、読み取り専用の「CD-ROM」(Read Only Memory/リードオンリーメモリー)。音楽やアプリケーションなどのソフトを販売する際に使われます。
2つ目は、「CD-R」(Recordable/レコーダブル)で、データを一度だけ書き込むことができるもの。
3つ目は、「CD-RW」(ReWritable/リライタブル)です。データを書き込んだり、削除したりが繰り返し(1000回程度)行えます。
また、CDのパッケージを見ると、CD-RやCD-RWとともに、「音楽用」あるいは「データ用」と記載されていることにお気づきでしょうか?
「データ用」には何もされていないのに対して、「音楽用」には専用レコーダーのための認識コードが記録されており、音楽に適した加工が施されているそうです。
「データ用」よりも「音楽用」のCDが少し高いのは、それらの処理のほかに「私的録音録画補償金」が含まれているからです。
実際には、パソコンを使用すれば「データ用」CDにも音楽を書き込めるわけですが、音楽専用で使うCDであれば、さまざまな意味で、「音楽用」の購入が望ましいでしょう。
DVDのプラスとマイナスって?
DVD(Digital Versatile Disc、当初はDigital Video Disc)にも、CDと同じように、読み取り専用の「DVD-ROM」、一度だけ書き込み可能な「DVD-R」、1000回ほど書き換えできる「DVD-RW」があります。
これら以外に、10万回もの書き換えが可能な「DVD-RAM」(Random Access Memory/ランダムアクセスメモリー)というものも。
ご自身でデータ記録用としてDVDを購入する方は、さらに+と-(正確にはマイナスではなくハイフン)という表記もご存知でしょう。
DVD-R、DVD-RWと、DVD+R、DVD+RWです。
この表記の違いは規格の違いです。機能的な違いはあまりないようですが、メーカーなどによる組織が異なるので、互換性はありません。
ビデオテープの「VHS」と「ベータ」の違いのようですが、大きさや見た目が変わらないので要注意です。
ドライブ(読み取り装置)にしても、どちらかしか対応できないものが多いので、よく確認しましょう。
もう1つ、DL(Dual Layer/デュアルレイヤー)と表示されているものがあります。
例えば、「DVD+R DL」のような表記です。
これは、記録できる面が2層になっているので、約2倍の容量があるのです。
両面に記録できるDVDであれば、さらに倍で、片面1層のものにくらべ、約4倍の容量があるということになります。
ところで、DVDにも「録画用」と「データ用」があります。
CDでご説明したように、「録画用」DVDの価格には「私的録音録画補償金」が含まれています。ただし、CDとは異なり、「データ用」のDVDではテレビ番組などの録画はできません。
BDは傷つきやすい?
DVDと比較しても、圧倒的な大容量のBD(Blu-ray Disc)。
CDやDVD同様、読み取り専用の「BD-ROM」、一度だけ書き込み可能な「BD-R」、1000回ほど書き換えできる「BD-RE」(Rewritable)があります。
このBD-REには、最近、LTH(Low To High)という安価に製造できるものが登場しました。比較すると、多少は長期保存に弱いというデメリットがありますが、書き込みや読み取り、画質などに差は感じられないそうです。
また、DL、XLなど、1層から4層のものまでが市販されています。
BDにも、「ビデオ用」と「データ用」という区別がありますが、DVDのように録画できないということはありません。
このBD、先ほど「圧倒的な大容量」と書きましたが、CDと同じ大きさ(面積)なのに、CDの35倍も記録できるんですから、技術の進歩はスゴイですよね。
しかしそのぶん、非常に繊細です。小さな傷の発生で、データが飛ぶ、二度と読み込めない、という可能性がCDより高いと思われます。
不織布ケースに入れたりすると、後で拭いても消すことができない不織布の繊維の凹凸が跡になってしまうことがあるそうですからご注意を!
BDは、購入した際のプラスチックケース(スピンドルケースなど)で保存することをお薦めします。
容量が大きくなるほどリスクも高く?
上に挙げたBDの例から、記録容量が大きくなればなるほど、当然それだけ密度が高く繊細になり、データが欠損、破損、読み込み不能となるリスクも高くなってしまいます。
ですので当店では、大きなデータでない限りは、納品時にはCDを使用しています。もちろん、一度しか書き込みできないCD-Rです。
CDは、1982年に発売された一番歴史がある光ディスクですし、他と比較して高密度ではないので、より信頼性が高い、と当店では判断しているからです。
そして、納品データの容量が大きくなればDVD-Rを使用しますが、どちらの場合でも、より信頼のおける「日本製のディスク」を使用しています。(注:2017年以降、日本製ディスクが製造されなくなったことに伴い、現在は日本製と同等のコストのディスクを使用しています。)
ちなみに当店の場合、写真(L判)の量がだいたい300枚を超えると、DVD-Rへの保存となります。
大切な思い出を残すための媒体ですから、リスクは最小限に留めたいと考えています。
さらなるリスク回避の観点から言いますと、当店からデータディスクが届いたら、すぐに別のメディアやパソコン本体にまるまるコピーして、完全バックアップ(分散保存)しておくこともお薦めしています。
皆さまの「思い出アーカイブ」がより安全で、より充実しますように!