写真は思い出です。
思い出である、その写真たちの多くは、押入れの奥で眠ったままになっているのではないでしょうか。
アルバムに整理されているならまだしも、プリントしてもらった写真店の袋に入った状態で、何十年も段ボール箱に入れっぱなし、なんていう人も結構いるかも知れませんね。
ヒマができたら整理しようと思っている内に、時間だけが経ってしまって……。
その写真=思い出を、みなさまはこれからどうするのでしょうか?
年を重ねて、人生の締めくくりが必要な時期がきたら、さまざまな遺産の相続を考えるでしょう。
あるいは、まだまだ若い人たちだとしても、親たちの年齢を数えてみると、遺産を受け取ることを考えることがあるでしょう。
遺産相続というと、すぐに不動産や有価証券などを思い浮かべますが、「思い出の遺産相続」のことも、考えてみませんか。
思い切って捨ててしまうという選択。
自分の写真でさえ、滅多に見返さないという人がほとんど。まして親の写真や、祖父母の写真など興味もない人が大多数だと思います。
お子さんにとっては、自分の写真でも見る気がしないとすると、取っておく意義を感じないかも知れません。
「どうせお子さんに捨てられてしまうなら、自分で処分した方が、まだ気分がいい」と考える人もいるでしょう。
また、単純にその量にうんざりすることも。
大量のプリント写真は重いですし、埃をかぶっていますから、触れるのも面倒。そして何も考えずにアルバムにしまうだけでもかなりの時間を費やします。
一枚一枚確認していたら、一体どれだけの時間がかかるか分かりません。
それなら、いっそ「断捨離だ!!見ないで全部捨ててしまえ!」となるのも仕方ないかも知れませんね。
でも、本当にそれでいいのでしょうか。
意外な発見をすることも!
古い写真を整理しようとすると、つい一枚一枚を見入ってしまいませんか?
それは、やはりそこに写っている人たち、その場所、その時間、そういう思い出に関心がある証拠ではないでしょうか。
そういうものを捨ててしまうのは、少し惜しい気がします。
また、写真で若い頃の両親や祖父母、あるいはそれほど知らない親戚たちの顔を見ると、驚くほど、自分や子供たちに似ていたりして……。
改めて、3世代、4世代と見比べると、そっくりさんがいっぱいいることを発見できたりします。
Facebookに、そんな大昔の写真をアップして、誰だと顔認証されるか試してみるのも楽しいかも知れませんね。
問題は、整理の仕方。
写真をすべて捨ててしまうことが、何だか惜しくなってきましたか?
それでも、やはり整理するのは面倒ですよね。
残すのか、捨てるのか、写真を手にして一枚ずつどうしようかと考えていては、いくら時間があっても足りません。
まず、「どんな写真を残すのか」というルールを決めましょう。
「人間(家族)が写っているものだけ」「風景のみやピンボケは除外」など、できるだけ単純で明快なルールが目標です。
そんなルールを守って、写真をチェックしていけば、流れ作業的に整理できます。
保存の理想は、「ハイブリッド保存」です。
残すと決めた写真は、アルバムなどにアナログ保存するとともに、スキャンしてデジタル保存しましょう。(「ハイブリッド保存」についてはこちらを参照してください。)
アルバムに入れるにしても、デジタル化してフォルダにしまうにしても、やはり一枚ずつ迷っていては時間がかかってしまいます。
ここでも、単純なグループ分けのルール(「人物名」「19xx年」などの年号でくくる)など、事前に設定しておくことをおすすめします。
そして、もうひとつ。一度にすべての写真を整理しようと思わないことも大事です。
少しの時間で、少しの量を片付けるようにしましょう。
全部をいっきにやろうと考えると、始める前に面倒になってしまいます。
少しずつなら、明日からでも始められるかも知れません。
みなさまも、「思い出の遺産相続」を、少しだけ考えてみませんか。