皆さまは、「バチカン図書館」を知っていますか?
ローマ郊外にある、世界で一番小さい国である「バチカン市国」の中にある図書館です。世界最古とも言われるこの図書館で、いまデジタル化が行われています。
「バチカン図書館」とデジタル化。
今回は、一見ミスマッチなこの組み合わせについてご紹介します。
「バチカン図書館」て、なに?
15世紀半ばに、当時のローマ法王(教皇)であるニコラウス5世が設立したのが「バチカン図書館」。
代々の法王から受け継いだ古写本350点などでスタートしましたが、15世紀の終わりには、その蔵書は3,500点を超えていたそうです。
それから約100年後に新館が建てられ、この建物が現在の「バチカン図書館」となっています。
その後も、歴史的に重要なものを数多く加え、現在では110万点以上の蔵書数を誇っています。
意外な感じもしますが、ルールさえきちんと守れば、「バチカン図書館」は、誰でも利用できるようです。
NTTデータと契約
2014年の3月、「バチカン図書館」は、NTTデータと契約を結びました。その目的は、古写本をはじめとした文献や蔵書のデジタル化。
2世紀から20世紀に書かれた手書きの文献8万点をデータとして保存するためです。
これら8万点は、歴史、法律、哲学、科学、神学などに関する貴重な資料。中には美術的に高い価値のある古写本も含まれています。
4年間で、約3,000点がデジタル化される予定で、8万点をすべてデジタル化するには、かなりの長期間が必要でしょう。
現在でも、デジタル化が終了した一部の資料は、一般に公開されています。
世界的にも大変貴重な資料の保存活動に、日本の企業が深く関わっていることが、とても誇らしいですね。
デジタル化の必要性を感じます!
「バチカン図書館」では、蔵書のすべてを適切に保存しています。先ほど書いたデジタル化予定の約8万点については、もちろん、保存に細心の注意が払われているはずです。
しかし、それでも劣化は進んでしまうのです。
皆さまの家では、歴史的に貴重な文献は少ないかも知れませんが、それでも、個人にとっては大事なものがたくさんあるはずです。
大切な思い出の詰まった写真、子供の頃に描いた絵……。失礼ですが、それらの保存状態は、決して厳重とは言えないでしょう。
大事なもののデジタル化、そろそろ考えてみませんか?