当店にたくさん届く写真のなかで、いま比率が高まっているのが「スライド写真」です。
プリント写真は、そのまま見て楽しめるのですが、スライド写真だと、専用の機材がなければ見るのは難しく、押入れの中でずっと眠ったままになっていることも多いのではないでしょうか?
「あらためて見返したい!」というニーズが高まっているように思います。
また、講義用として、学術的な記録として、スライドが多用されていたこともあり、特に学校法人や医学関係の皆さまにも、数多くご利用いただいています。
そんなスライド写真ですが、デジタルデータ化する際に、困ることがあるのです・・・
もし、身近にスライド写真があったら眺めてみてください。「???」と思うことはありませんか?
そうです。スライドには「どちらがオモテで、どちらがウラなの?」という問題があるのです。
裸のフィルムだと、コマの外(上下)に番号が振られているので、表・裏は一目瞭然なのですが、個々にマウント(枠)で固定されているスライドフィルムになると、ちょっとやっかいです。
フィルムのツヤを見て表・裏を判断するのが手っ取り早い(ツヤのある方がオモテ、わずかに凸凹のある方がウラ)のですが、古すぎてツヤで判断できない、デュープで複製されたものは反転している・・・などなど、それでもわかりづらいものがあります。
そこで、フィルムの外見だけで判断しない、当社独自?のスライドの表・裏の判断方法を公開したいと思います。
※すべてが下記の通りではないことがあります。あらかじめご了承ください
【マウント(枠)の外見で】
◆ポイント1◆ マウントに番号が振ってあるほうはオモテ
比較的新しいマウントには、フィルムの順番がわかるように番号が刻印されているものがあります。番号が振られている面は、オモテであることが多いです。
紙のマウントで、「Kodachrome」や「Ektachrome」「Fujichrome」などのメーカーのロゴが大きく印刷されている面は、ウラであることが多いです。
◆ポイント3◆ メモスペースがあり、手書きの書き込み等があるほうがオモテ
ポイント2とは逆に、ロゴが入っていないほうは、書き込みができるメモスペースになっていることが多く、メモスペースがあるほうは、そのまま透かして見られるため、オモテと判断できます。
・・・とはいえ、手作業でマウントされたもので、すべて逆のパターンになっていたり、マウントから外れてしまって表・裏を逆に戻してしまっているようなケースもあり、上記の判断だけでは万全とはいきません。
最終的には、「目視での画像チェック」で判断することになります。
【スキャンされた画像を見て】
◆ポイント4◆ 文字
画像に数字や文字が写っていれば、表・裏は一目瞭然です。
背景の「看板」や、「車のナンバー」などに目を凝らします。昔のフィルムにはほとんどありませんが、カメラが自動的に右下に入れる日付の数字も、判断を簡単にしてくれます。
(「車」で言うと、ハンドル位置の左・右で判断できそうに思いますが、ハンドルの位置は国によって違いがあるので要注意です。)
被写体の着ている衣服も、判断の大きなポイントになります。
特に和服はわかりやすく、襟の重ねが「y」に見えることが重要で、逆になっていないかに気を付けます。
また、スーツの「胸ポケット」、シャツのワンポイントの「ロゴマーク」等の位置が左胸(画像では右側)にあることをチェックします。
◆ポイント6◆ 指輪をする手
特に新婚旅行の写真では、左手(画像では右側の手)の薬指に指輪が輝いているので判断しやすくなります。
◆ポイント7◆ 腕時計をする腕
時計をしている腕は、左手(画像では右側の手)であることが多いです。
・・・と、以上のようなポイントを探して、画像すべての表・裏を判断しています。
それでも判断がつかない、手掛かりのないスライド(特に、動物や植物のアップなど)は、弊社の判断に一任していただくしかありませんので、なにとぞご了承ください。
このように、一点一点目視での最終チェックを行いながらスライド写真の画像データ化を実施しており、当店では1コマあたり@58円(税込63.8円)(解像度:1200dpiの場合)で作業しています。(その他に、基本料金、返却送料、消費税が別途かかります。)
当店の詳しいスライドスキャンサービスのご案内はこちらをご覧ください。
皆さまの思い出がしっかりと残るよう、これからも一点一点、慎重に丁寧に作業を進めてまいります!
【思い出アーキビスト® スマイル・シェアリング店長/樋口智久】